今度の7月5日に「いつもひらめいている人の頭の中」の出版記念講演会を行うことになりました。

場所は東京都内の一流ホテルや会議室・・ではなく、埼玉県ときがわ町の「トカイナカハウス」という古民家です。
実は、このトカイナカハウスには、2021年の2月にお邪魔していて、コミュニティデザイナーの山崎亮さんの講演会に参加しました。

そのときのレポートや、この町を訪れた感想は当サイトでもブログ記事にしています。

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(ちなみにこのときの講演をもとに山崎さんは「面識経済」(光文社)という本を出版されています)

そんなご縁あるトカイナカハウス。ここで「ときがわ自然塾」を開催されているノンフィクションライターの神山典士さん主催で、拙書の出版記念講演会を行うことになりました。

出版記念講演会ですから、本の内容をもとに話をするわけですが、せっかくの機会でもあるので、トカイナカハウスやときがわ町に合うテーマで話したいなと思います。
(もちろん上記パンフレットに書いて内容についても話します。)

それが、タイトルにも書いた「革命(イノベーション)は辺境から生まれる」です。
  

革命(イノベーション)は辺境から

これは毛沢東の言葉が元ともいわれていますが、世の中の革命家の多くは、今のメインストリームではなく、辺境の地から生まれているということです。

実際に歴史に残る「革命家」もナポレオンがコルシカで生まれたり、ヒトラーもオーストリアとドイツの国境の町で生まれたりなどしています。日本でも江戸幕府を倒したのは日本の西端にある薩摩や長州、土佐の人たち。

経済でも、シリコンバレーは今でこそITやAIの中心ですが、かつては米国の西の端のサンフランシスコのそのまた田舎町でした。
かつてのメインストリームのワシントンやニューヨークから最も離れた街で、世界を変える産業が生まれました。

ひとつには、こういう辺境の町は、その時のメインストリームではない人たちが住んでいるので、メインストリームに対する反発心がある。そういう気持ちが「革命」を起こした面があるでしょう。
東京のど真ん中で何不自由なく暮らしている人に、「社会を変えよう」というモチベーションは少ない。「革命」「改革」は自分の今の生活がひっくり返されることを意味しているのですから。

このあたりは、よく知られた議論ですので、いまさら付け加えることはないことかもしれません。

もうひとつ、自分が「創造性」「ひらめき」という視点で注目したいのは、自分自身と社会との程よい距離の「関係性」およびその変化です。

良く知られているように、イノベーションとは既存の知と知の新たな結合(新結合)です。
また脳科学的にいっても「学習」「創造」をはじめとする知的活動というのは「脳神経細胞同士のつながりの強さが変化して新たな繋がりの経路ができること」です。

この「関係性に変化を起こすこと」が「創造」であり、「ひらめき」であると言えます。

かつて東京をはじめとする大都会はまさにそういった場所でした。新しいものがどんどんできて、人もどんどん集まってくる。その膨張と変化のダイナミズムの中で、新しい商品やサービス、そして文化が生まれ続けました。

翻って現在はどうでしょうか。

以前ほど人口が増えているわけではないですし、どこどこに新しいビルが建った(ビルが建つこと自体も日常風景ですし・・)以外、新しいものもほとんど生まれていない。
東京で仕事をしている人はお感じのように、毎日同じような景色の中で仕事や生活をしている。

そして、このような大きな規模の都会で、個々の活動では何かを変えるのは困難ですしね。
その点、地方のほうが、規模が少ない分、「変化」が目にしやすい。
これは社会システムが「コンヴィヴィアル(自立共生的)」であることを意味しています。(「コンヴィヴィアリティ」についてはまた別途触れようと思います。)

そういう意味で、起業なり、街づくりなりで、今、何か変化を起こそうと思えば、東京のど真ん中にいるよりも、「地方」にいるほうが良いのかもしれません。

もちろん地方や田舎であれば何でも良いワケではなく、変化を求めているところ、できれば多様な人と触れることができるところが良いと思います。

そういう意味でも「トカイナカ」(都会と田舎の境界)というのは、「創造性」や「ひらめき」にはふさわしい場所のように思います。
  

  
 

ひらめくために「トカイナカ」へ行こう!

本書の中でもひらめきのためには、旅に出るなどよく知らない場所に行くことをお奨めしています。別に海外とかでもいいのですが、ちょっとした小旅行でも、隣町に行くのでもいいと思います。
いつもとは違う場所、違う環境に身を置いていつもとは違う人と触れ合うのはとても良いいことです。

また同じ場所にいるにしても、環境が変化するところ、四季があったり、天気が変わる場所も良い。
実際文明や文化が発達した場所は、ほとんどが四季のある地域ですよね。
その点最近の都会は、四季を感じずに一年が過ぎてしまうことも珍しくない。(そういう場所で「うつ病」などが増加しているのも、無理はないかなと思います。)

だから地方はそういう意味でも「ひらめき」「創造性」向いています。

もちろん、ただそこにいるだけで「ひらめき」がじゃんじゃん湧いてくる・・・とはいきませんので(笑)、ときがわ町のような「辺境(?)の町」でこそ発揮できる「ひらめき」や「創造性」について、みなさんと語り合える場にできればと思います。
 

お申し込みフォーム

    日時:2025年7月5日(土)16:00~18:00(懇親会:18:00~20:00)
    場所:トカイナカハウス(埼玉県比企郡ときがわ町番匠445-1 八高線 明覚駅 徒歩7分)
    セミナー参加費:リアル参加 4,000円、Zoom参加 3,000円
    懇親会費:4,000円

    リアル参加 or Zoom参加(選択してください(必須))

    いつもひらめいている人の頭の中(幻冬舎新書)