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デザイン思考「イノベーティブな課題解決」

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デザイン思考が注目される背景

経済産業省と特許庁は、2017年7月「産業競争力とデザインを考える研究会」を立ち上げ、有識者らを集め10回以上にわたって議論を進めてきました。そして2018年5月、それらの成果を「デザイン企業宣言」として公表しました。

「宣言」では、21世紀に入り、人口・労働者の減少により日本は世界のメイン市場としての地位を失ったこと。第4次産業革命が進む中で、それまでの知識や経験が役に立たない大改革時代に突入する現状について記されています。
そうした中、企業が生き残るには、顧客に求められる存在にならねばならないのですが、世界の有力企業が戦略の中心においているのがデザインです。
⼀⽅で、⽇本では経営者がデザインを有効な経営⼿段と認識しておらず、グローバル競争環境での弱みとなっているといわれています。

実際各国の調査では、有力企業のデザインへの投資効果の研究も進んでいて、例えばBritish Design Councilは、デザインの投資に対し、売り上げは20倍、輸出額は5倍、利益は4倍ものリターンがあると発表している。またデザインを重視する企業の株価は、S&P全体と比較して過去10年間で2.1倍成長し、デザイン賞に登場することの多い企業(166社)の株価は、市場平均(FTSE INDEX)と比べて、10年間で2倍成長していることが明らかになっています。

これがデザインを取り巻く世界の常識となっていますが、本の経営者がデザインに積極的に取り組んでいるとは⾔い難いのが現状です。

デザイン思考とは

デザイン思考とは、「デザイナーがデザインするプロセスを適用してクライアント(顧客)の課題解決を行うための思考法」です。
一例として、デザイナーが商品パッケージをデザインするプロセスを考えてみましょう。
デザイナーはよくアーティスト(例えば画家)とよく比較されますが、アーティストが自分の感性の赴くままに芸術作品を創るのに対し、デザイナーはクライアント(顧客)のために創作を行う人たちです。自分中心主義がアーティストの特徴だとすれば、顧客中心主義なのが、デザイナーです。
そしてデザイナーはクライアントの、「商品がもっと売れるにはどうすればいいか」「どうすれば陳列棚で手に取ってもらいやすい商品になるか」という課題に対して、「売れる商品パッケージ」「手に取ってもらいやすい商品パッケージ」をデザインするという課題解決手段を提示するのが仕事です。

そしてそのためには、「消費者はどのようなパッケージなら手に取りたいと感じるか」ということに対し調査・観察を行います。チームやクライアントと何度も意見交換(ブレーンストーミング)を重ねデザインを行いますが、創るパッケージももちろん一つだけではなく、多くのプロトタイプを創り、その中から最も効果の高いものを最終的にクライアントに提示します。
このような手法・プロセスがデザイン思考(デザインシンキング)です。

デザイン思考のプロセス

デザイナーの手法・思考法を体系化したのが、シリコンバレーにあるデザインファームのIDEOです。
IDEOはデザイン思考のプロセスを次の5つに分類しました。
共感 顧客を深く理解し、何が本当の問題なのかを見出す。
定義 顧客の要求や課題をはっきりさせ、何をデザインするのか、を定める。
アイデア化 課題解決となるアイデアを創出する。
試作 プロトタイプを制作する。
テスト プロトタイプを検証し、製品化へ繋げる。

注意すべき点は、このプロセスは段階的あるいは直線的に進むわけではない、いわゆる手順を示しているのではないということです。
共感から始まってテストで終わるとは限らず、同時並行、あるいは後ろから前へ進むこともありえます。またこのプロセスも1度きりのものではなく、何度も往復し、検証が繰り返されます。

製品デザインから組織・経営デザインへ

デザイン思考は、もともとは製品デザイン(プロダクトデザイン)のための思考法でしたが、最近は組織デザインや経営デザインへの適用の動きも顕著です。
例えば上記のIDEOあるいはFROG DESIGNなどのデザインファームは単なるデザイン会社というよりも経営コンサルティング会社というほうが近い気もします。
また右脳を駆使するデザインファームとは対極ともいえる、コンピュータ会社、システム会社がデザインの領域にも進出しており、デザイナーを意欲的に大量採用しているIBMが、「世界最大のデザインファーム」となる日が来るかもしれません。

組織デザイン・経営デザインのフレームワーク

冒頭の「デザイン経営宣言」にもあるように、日本では、経営にデアイン思考を取り入れることが急務です。そのため私が学んだ慶應義塾大学大学院のシステムデザイン・マネジメント研究科など、デザイン思考を指導できる人材の輩出、そして企業が導入できるようなフレームワークの整備が必要です。
しかしIDEOが公表した5つのプロセスを基にした現在のデザイン思考プロセスのフレームワークは、プロダクトデザイン、つまりいかにイノベーティブな製品を開発できるか、という点に偏っています。
私たちは、システム思考のフレームワーク(因果ループ図の活用など)と併せて、下記のように、組織デザイン、経営デザイン(あるいはビジネスモデルデザイン)のフレームワークの整備と、そのプロセスを広める活動を通じて、日本の経営システムの国際競争力の回復、ひいては豊かな社会づくりに貢献すべく活動の場を広げています。

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