本を一読したら即効で何かが身につく、あるいは啓示が降ってくることを期待して、「自己啓発書」を読む人は多いと思います。

一読しただけで、その本の著者のように「成功」できる気になる。
頭も良くなるし、人間関係も円滑になるし、お金儲けだって簡単にできる。
そのためには「◯◯だけやればよい」・・・

本屋さんに行くとそういう本がたくさんあります。

「こうやって成功した」「これで悩みが解決した」といった事例が多く載っていて、読んで共感して「自分もやってみよう」と思う。

そうやって、本を読む度に、新しいやり方を手に入れた気になりますが、現実には何も行動することができない。いろいろ試行錯誤はするもののどう行動すればよいかわからない。

そのうち、「本だけではだめだ。もっと高額のセミナーを受けなくては」という声にそそのかされて、高額な商材を買ったり、高額なセミナーを受けるようになる。
でもやはり、「手法」をいくら勉強しても結局は同じこと。
もっと良いセミナーはないか・・と探し求めていくうちにお金も何もかも失ってしまう。

そんな人を結構見てきました。

誰かの成功体験を真似しても、同じ結果が出ることは少ないのが現実です。
「次こそは」と新しい本を手に取り、別の手法を試すサイクルに陥ってしまう。
「簡単に入れられる方法」はすぐに忘れます。

水と同じで、熱しやすいものは冷めやすい。
冷めにくいもの、いつまでも熱を保つものは、熱するのに時間がかかる。
「思考する力」「考える力」も同じだと思います。

「頭がいい人の思考のコツ 考えるスイッチ」は、一読しさえすれば、即に読む前と違った自分に生まれ変わる・・・残念ながらそういう本ではありません。
ご自身の仕事や日常生活の中で、問題や課題にぶつかった際、会社や自身の売上を上げたい! 事業の伸ばしたい!新規事業など、新たなアイデアが必要なとき、「どう考えればいいのか」。思考の軸を持つことにより、どんな問題に対しても自分にとって最適な答えを得るための「思考のコツ」を手に入れることができる。

そのような思考のスイッチを得ることができる。

そんな本を目指しました。

手法(ノウハウ)と思考の違いを知る

「思考のスイッチ」では手法と思考の違いを重視しています。
下図を見てください

例えば、「Aさん」「Bさん」「Cさん」の手法を自分でもやりたいと思ったとします。

「手法」は、「やり方」「使い方」です。例えば「〇〇を実現するために、こういうやり方
を覚える」「こんなソフトウェアを使う」ということ
マニュアルのような形式知化されているものから、現場で身をもって覚える技術のように暗黙知化されているものなど、会社や組織あるいは個人ごとに様々な手法があります。
他の人がうまくいった手法でも、環境も条件も違う以上、そのままでは再現はできません

ではどうすれば良いのでしょうか。
そのためには、「手法」の抽象度をいったん上げる必要があります。高いところに立って全体を見るイメージで、Aさんの手法、Bさんの手法、Cさんの手法を観察します。そうするとその共点や本質が見えてくるはずです。
今度はその「抽象化した手法」を、具体的に自分の環境や状況に合った方法や手法にすることで、自分に合った環境や条件の手法を身につけることができます。
この「抽象化した手法」のことを「方法論」や「フレームワーク」と呼ぶこともあります。


   
大事なのは、誰かの手法をただ真似するのではなく「どうしてその手法がうまくいったのか」を考えることです。
なぜ成功したのかを理解できれば、その手法の本質が見えてきます

そのためには、知識やノウハウをただ蓄えるだけでは不十分です。必要なのは「思考の軸」を持つこと。この思考の軸こそが「思考法」です。
思考法を身につけることで、知識を単に受け取るのではなく、どう活かし、どのように応用するかを考える力が育まれます。

思考法を学ぶと、図のように自分の思考にしっかりした軸ができるので、迷うことなく自分に合った判断や物事の事の優先順位がわかるようになります。
他人の成功体験の真似ではなく、自分自身の方法を見つける力を身につけることができます。

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