ホラクラシーやティール組織について、いろいろな人とお話する機会も増えてきたのだけど、一般にはこういう「自己組織化経営」について大きく2つの誤解がある気がしています。
 
「とびきり優秀な人たちがいるからこそ、なりたつ経営手法だよね」
「リーダーシップはいらない。要は任せきる(ほったらかし)経営でしょ?」
 
自己組織化経営のお手本は、アリやミツバチですが、彼らが優秀かというと、勿論そんなことはなく、個々のアリやミツバチは、プログラムで言えば数行で書けてしまう単純なパターンの動作しかできません。
かといって、軍隊のように、上司命令に盲目的に従っているわけでもありません。(そもそも上司はいないし)
  
 
「うちの組織は優秀な人はいない」と言ってしまえば「私の部下はアリ以下です」ということになってしまいます。(笑)
     
「任せきる」も(間違ってはいませんが)誤解を呼ぶ表現で、ほったらかせば、組織はバラバラになります。これも自然の摂理です。
     
自己組織化経営は、個々の動きのいわば「集合知」で一人ではとてもなしえない大きなこと、アリやミツバチで言えば巨大建築物を創造したり、何百人(匹)もの組織を維持したり、意思決定(条件の良いどの場所にどうやってみんなで移住するか、など)を行ったりします。
    
 
そのような組織を人為的に創ろうと思えば、従来の「押しつけ型リーダーシップ」「管理型リーダーシップ」とは違った意味で「組織全体をデザインし、創造する力」が必要です
   
そういう意味ではリーダーシップというより、要求されるのは「デザイン思考」というべきかもしれません。
  
自己組織化経営で必要なのは「細かいことではなく組織の全体を俯瞰できる(木も見て森も見る)思考」そしてそれを「デザインする思考」。
  
結局「システム×デザイン」思考に行き着いてしまうという。。。(笑)