夢を実現するとは社会を変えること

本サイトの目的は、システム思考を通じて、現在のこの複雑な社会の中で「夢をかなえる」「目標を達成する」「夢を実現する」ことを後押しすることです。

「最近の若者は覇気がない」「保守的である」などと言われています。ある報道では、子供へのアンケートで「将来なりたいもの」で多い答えが、大企業のサラリーマンであったそうです。
大人は子供に「野球選手」とか「パイロット」など無邪気な答えを期待するものですね。
しかし子供もインターネットを駆使する情報化社会、「現実」が見えている分、昔の子供のように無邪気な答えは期待するほうが無理なのかもしれません。

そして、よく指摘されるのが、「社会の閉塞感」を子供や若者は敏感に感じ取っているとするもの。「閉塞感」もわかったような、わからないような言葉ですが、自分の力ではこの社会を変えることができない。というコトではないかと思います。

「夢を実現する」とは、「社会をほんの少しでも変えること」です。
例えば野球選手になる夢を実現した、王さん、長嶋さん。彼らが存在しない世界と今の世界では社会は異なっていたわけですし、松下幸之助さんが、もし生まれていなかったら、今の世の中はおそらく少し異なっていたでしょう。
程度の大小はあれど、ほんの少しであっても、あなたが存在しなかった世界に比べて、社会が少しでも変わっている。社会に爪痕を残している、といってもいいと思いますが、そういう状態になることを、夢の実現といっても良いのではないでしょうか。

社会とはシステムである

20世紀半ばくらいまでの日本は、良くも悪くも不安定でした。社会が変わる(成長も変わることですね)中では、誰もが社会を少しでも良い方向に変えようと必死にならざるを得なかった。

そうした先人の努力もあり、いろいろ課題抱えつつも、日本は豊かになり安定した社会を手に入れました。
1970年代までは、日本赤軍によるハイジャックや、あるいは右翼少年による政治家暗殺など日本でもテロは決して珍しいものでは
なかった。テロはもちろん許されませんが、これは「自分たちの行動が社会を変える」という考えがあればこそ。
爆弾一つで、あるいは政治家を暗殺することで、社会を変えることができる。
テロリストたちはそう信じたからこそ、テロ活動をしたのです。

しかし、実際には、そのようなことで、社会を変えることはできないと、多くの人は知っています。日本の首相を暗殺しても、日本の社会システムがそれで崩れるようなことはありません。

それはとても素晴らしいことなのですが、逆に良い方向に変えたいと思っても、社会システムは、なかなか変わってはくれないのです。

個人の力では容易に変えることはできない。それがシステムとしての「社会」です。社会はシステムであるからこそ、安全、安心なものであると言えますし、システムであるからこそ、そのシステムに根ざした課題や問題を解決する、つまり変えようとすることも難しいのです。

システム思考で社会システムを可視化する

社会を良い方向に変えたい、あるいはこの社会の中で何らかの爪痕を残したい、と思ってもそれが簡単ではないのは、この社会がシステムであるからです。
システムとは、要素と要素が繋がり、その要素感で相互作用をしているもの。を指しますが、すごく簡単に例えれば、真っ白いシーツのようなもの。
シーツも繊維と繊維がつながって、大きな面を成しているということで、ひとつのシステムといえます。
そのシーツにシワが寄った時、シーツ全体が見えてない人は、すぐそのシワを伸ばそうとします。そうすると、たしかにその部分のシワは伸びるかもしれませんが、今までシワの寄っていなかった他の部分でシワが寄っているのに気づくでしょう。
慌ててそのシワを伸ばすと、こんどはまた違う箇所にシワが寄る。
傍からみると、「何をバカなことをシているんだ」と思うでしょうが、私たちが問題に対処している時、実は同じことをやっていることに、殆どの人は気づかないものです。

ちょっと一歩引いて、シーツ全体をみれば、端を引っ張ればいい、といった根本的な対処法がすぐに見つかりますね。
この場合は「シーツというシステム」の全体像が可視化することで、問題(シワが寄る)に対処する(シワの寄っている箇所ではなくて、端を掴んで引っ張る)ことができました。
このシーツの端にあたる箇所を、システム思考では「レバレッジポイント」と呼んでいます。

夢を実現するシステム思考

シーツが繊維という要素とその繋がりでできているシステムであるように、社会もひとつの大きなシステムです。
社会システムを可視化する手法には様々なものがありますが、社会を構成する様々な要素(変数)とその繋がり(因果関係)を可視化し、レバレッジポイントを探して、システム全体を制御することにより、課題解決を図るのがシステム思考です。

「夢の実現」「目標の達成」「夢をかなえる」という行為は、私たちを取り巻く社会というシステムを変えようとするものだと述べました。
システム思考を知ることで、私たちは一歩も二歩も「夢の実現」に近づくことが可能になります。