夢は、情熱+夢の構築力

夢をかなえる。あるいは目標を達成する。このことに必要なことはなんでしょうか? どうすれば夢は叶うのでしょうか?
「情熱」「熱意」「諦めない気持ち」このような夢への思いが必要なことは言うまでもありません。
もちろん、これだけでかなう夢や目標はあるでしょう。例えば「親に一生懸命頼んだら欲しいおもちゃを買ってもらえた。」「夜討ち朝駆けで顧客のところへ通って契約をもらえた」「相手の親が結婚を許してくれた」。
「君の熱意には負けたよ。」なんてどこかのドラマでありそうなセリフが思い浮かびます。

しかしながら多くの場合、想いや熱意を持っただけでは夢は実現しませんし、目標も達成できないでしょう。
思い描いた夢を実現させる力、実際に夢や目標の物事を構築する力が必要なのは言うまでもありません。
夢を心のなかでしっかり描いたら、実際にキャンパスに向かって、絵筆を持ち絵を描く作業をしないことには、キャンパスはいつまでたっても白紙のままです。

「想い」だけでは夢は実現しない

多くの人たちが勘違いしているのは、夢を実現できるかどうかはそれを信じているかどうか。心にイメージをしっかり持っているかどうかにかかっている。という「願望実現法」「引き寄せの法則」。
本当は勘違いではなくて、「洗脳されている」という表現のほうがふさわしいかもしれません。
たしかに夢や目標の達成を願わないよりはながったほうがいいですし、熱意もないよりあったほうがいい。心にしっかりイメージングすることでモチベーションが上がるのであれば、夢の達成にそれだけ近づいたとも言えると思います。

でも心にイメージングすれば「まわりの人がその夢が実現するよう動いてくれる」とか、「何か不思議な力が働いてイメージングしたとおりに世界が動く」などということは起こりません。
「引き寄せの法則」という言葉、誰もが聞いたことがあると思います。心にイメージングして潜在意識に刷り込みをすれば、モチベーションが上がり、自分自身がその夢に向かって迷わずすすめるようになる。という意味で使う分にはまったく間違っていないのですが、まわりが、あるいは世界が、そのイメージングした夢に向かって動いてくれる。「自分以外の人やものがその想いに引き寄せられる」ということは、まったくもって起こりません。

自己啓発本や成功本には「引き寄せの法則」というのがあって、何か不思議な力が働いて。。のようなことが書いてあることが多いですが、これらのネタ元はすべてキリスト教の異端の宗派である「ニューソート」の教義です。
「ニューソート」は19世紀なかばに催眠療法家のフィニアス・パークハースト・クインビー等によって創設されましたが、自分たちの催眠療法が多くの病人を癒すのを、「これは宇宙に満ちている神の力であって、誰でも望めば思い通りに病気も治り、富を得ることもできる」と解釈しています。この「ニューソート」が布教のため出版した本が20世紀初頭産業革命の時代のアメリカでベストセラーになり、多くの類似本(「ザ・マスターキー」「思考は現実化する」「眠りながら成功する」「ザ・シークレット」等)が相次いで出版されました。

それらの類似本を読んだひとがそれに感化されて、孫引きして書いた本が、いま書店に多く並んでいる「自己啓発書」なのです。

夢(目標)を形にするのが「システム」である

私たちが「夢」「目標」と考えているものの多くは、神様の領域の問題ではなく(無論そのような方もいらっしゃいますが)、人が創ってきたシステム(社会システム)の中で、自分が希望していることを行いたい。というものだと思います。

ところで、ここでは社会システムとかシステム思考という言葉を用いていますが、「システム」というものの定義を述べたいと思います。
システムとは、「目的を達成するための複数の要素とその要素の間の相互関係」のことです。
たとえば「人間の身体」というシステムを考えてみると、「目的の達成」とは人間の生命を維持すること。「複数の要素」は脳、心臓、手や足、内臓などの諸器官。これら様々な器官は独立してそれぞれの機能を果たしつつもお互いつながって「相互作用」している存在です。コンピュータシステムも、ハードウェアなどのデバイスという要素、ソフトウェアの中のモジュール(プログラムの中の一つ一つの命令文)という要素がつながり、「相互作用」して「そのシステムの目的」を果たすものです。
もっとシンプルな例では、私たちが毎日使う「お箸」もシステムです。
単なる2本の棒に過ぎませんが、お箸の機能を考えると、手指の力を入力する部分(要素)と、食べ物をつかむ部分(要素)があって、それらが「相互作用」して、私たちは食べ物を口に入れる事ができる。つまり「目的」を果たすことができるのがわかりますね。
「家族」や「会社」、「地域社会」などの「組織」もシステムですし、「政治」「経済」もシステムであることがわかると思います。
前項で述べたキャンパスに絵を描くのもシステム。絵筆や絵の具、キャンパスを相互作用させて頭の中のイメージ(目的)を形にするのが絵を描くというシステムです。
「今の社会システムの中でやりたいことを実現したい」という夢をかなうためには、何が要素なのかを掴み、その要素をどのように相互作用させるか、を知る必要があります。
そのための手法がシステム思考です。

システム思考で誰でも夢がかなう

目的が「箸でご飯を食べる」というような単純なものなら、システムを意識する必要はないですが、この21世紀の複雑な社会システムの中で、夢や目標をかなえるためには、システム思考をマスターして、夢の対象であるシステムの「要素」「要素のつながりや相互作用」を理解することが、近道です。
システム思考では、夢の実現手段を設計する。そして実際に実行していく中で、様々な問題や課題が生まれてきますが、その課題解決のための有効な解決手段を与えてくれます。