11月23日、同志社大学において、日本ソーシャル・イノベーション学会のカンファレンスが開催されました。
カンファレンスのポスターセッションにて、「アート思考」を社会課題に繋げるフレームワークの提案というタイトルで発表を行いました。
発表タイトル :
「アート思考」を社会課題解決に繋ぐためのフレームワークの提案
概要:
デザイン思考は、ユーザーの課題をデザインの力で解決することを目指したものである。しかし社会の複雑度がますます上がり相互依存が高まると、特定のユーザーのための課題解決が、他の問題の発生につながることがある。現在地球を覆っている課題の背景の多くにはそれがあろう。
デザイン思考の限界を超えるためには、出された課題に対する答えを見つけるだけではなく、「問い」から考えるアートの発想が必要となる。(石井2018) 課題を見つけ出し、新たな価値を創るための仮説を提起する思考法が、「アート思考」である。
アートとデザインの差は「自己言及性」「自省作用」にあるが、これは社会学の視点で見れば「社会構造の自己組織性」である。(今田 1985)
アートはそれだけでは他との繋がりが起こらないため、社会の中で他との相互作用つまり自己組織化が必要となる。
社会の中で自律した個が繋がって、全体としてひとつのシステムを形作る。そのような創発する仕組みを考えていくことが今後の社会に必要と考える。
ここでは「アート思考」を社会課題の解決につなぐフレームワークとして、「自己組織化マネジメントフレームワーク」(Shima et al. 2018)の活用を提案する。
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