ギフト経済を実践している、アーティスト石丸弘さんをシステム思考で解析しようというプロジェクトが立ち上がった(?)のが1週間くらい前でした。

石丸さんとは、ティール組織やホラクラシー経営の経営勉強会「自然経営研究会」で知り合い、その独特な生き方や感性に惹かれ、一緒にラジオ(自然経営ラジオ)をやったり、今度行う「アート思考ワークショップ」でも、アーティストの視点からのアドバイスをお願いしたりする関係となりました。


ちなみに、石丸さんの「ギフト経済」とは、
「基本的に自分から、できること(アート作品、コンサル、人と人をつなぐこと等)をどんどん人に与えていく。」
「見返りは一切求めない」
「人からもらうものは、もちろんありがたくいただく。そしてそれ以上のものをお返しする」
「基本的には「取引」としての金銭は介在しない。(金銭のギフトはもちろんあり)」

といったようなことです。

そして、その結果、どのようなことが起きているかというと。
・彼が「パトロン」と呼ぶファンから、寄付をたくさんいただいている。
・シェアハウスの部屋を「寄付」してもらった。
・ある会社の社長さんから、秘書をつけてらっている。(人件費はその会社もち)
・クリスマスに個展をギフトしていただいて開催。パーティも開いてたくさんの仲間が駆け付ける

「まず自分からギブしよう」といったことは、最近バズっている「はあちゅう」さんのオンラインサロンなどでも言われているようですが(笑)、大体上から「まずお前がギブしろ」という方便で使われているのが実態。
「自分から与えていったら、自分が損してしまうんじゃないか?」
「相手から与えてくれたら、自分も喜んでギブするんだけど…」
というのが、(私も含め)普通の人がまず思うことではないでしょうか。

一体どうして、石丸さんの周りはうまく「ギフト経済」がまわるのか。
ラジオ番組の後の雑談で、「一度石丸さんのギフト経済を『構造化』してみたい」とつぶやいてみたことから、「是非一度やってみよう」ということに。

じゃあ折角なので、私の持っているシステム思考のささやかな知識をみんなに「ギフト」しながらやってみようということで、昨夜、都内某所の会議室で、「石丸弘ファン」の方々と一緒に、システム思考や因果ループ図などの知識を共有しながら、石丸さんの「ギフト経済」を構造化してみようということになりました。


ギフト経済の基本構造

通常の経済とギフト経済とは何が違うのか?

通常の経済の一番基本的なところと、ギフト経済を因果ループ図で描いてみます。

上記の普通の経済、お金と商品やサービスで回っています。
お金は希少財(限りがある財産)ですし、できればたくさん手元にお金を持ちたいと思うのが人の感情ですから、商品価格が上がれば、「買いたいと思う気持ち」も減る。
アダム・スミスの需要・供給曲線が示すように、このお金と商品・サービスはどこかでバランスが取れる関係。この図はバランス・ループ(Balance loop)です。

一方のギフト経済、私たちは、石丸さんにギフト者(パトロン)にインタビューをしていただいて、どんな気持ちで、相手(石丸さん)にギフトしたのか、を教えていただきました。

詳細は後程記しますが、まずわかったことは、お互いのギフトの気持ちが、同じ方向に向かい合うとき、ここに自己強化ループ(Reinforce loop)が回って、ギフト経済がなりたちそうだということ。
例えば、ここに「愛情」を入れてみるとわかりやすいかもしれません。(笑)

ギフト経済のキーワードは、「信頼」と「繋がり」そして「ワクワク感」

インタビューから浮かび上がってきたのが、「信頼」と「繋がり」と「ワクワク感」でした。インタビューを聞くまでは、将来のテイクを期待してギブしているのかな?とも思っていましたが、それは意外と優先度が低いことがわかりました。

つまり、石丸さんへの「信頼」。石丸さんにギフトをすれば(例えばお金を寄付すれば)、きっといいことに使ってもらえるだろうという信頼感。そうすれば世の中が良くなるだろうという気持ち。
これはもちろん、石丸さんが実際に実行してきたという実績があってのもので、いわば「社会貢献事業」に寄付をする気持ちに近いといえるでしょうか。
最近、「クラウドファンディング」が広がっていて、実際何らかのプロジェクトに参加した方も多いと思います。
そういう時、自分もそうでしたが、そのプロジェクトが進むことの未来、しかもどうなるかわからないということも含めて、そこに自分も加わる「ワクワク感」を感じたかと思います。

そして、その結果、人が彼の周りに集まり、またそんなつながりに参加したいという人が増えていく。
どうやら、そんなところが秘訣のようだということが、議論の結果わかってきました。

そうやってみんなで描いた、ギフト経済の因果ループ図が、下記のような感じです。

「信頼ループ」が中心となって、そのまわりに「社会投資ループ」「Give&Takeループ」「繋ぎたい人ループ」「混ざりたい人ループ」そして「ワクワクループ」。

そんな自己強化ループの集合体が、石丸さんをめぐるギフト経済の構造であり、「ギフトに生きる」本質のようです。

どうですか?混ざってみたくありませんか?(笑)

そんな石丸さんにお手伝いいただいた、「アート思考ワークショップ」来週火曜日に開催です。(定員まで残り若干名)

アート思考ワークショップ開催

日時:2019年1月22日(火)19:00~21:00
ワークショップの詳細、お申し込みはこちらから
ビジネスイノベーションのための「アート思考」ワークショップ(体感プログラム)