昨日「芸術思考学会 第6回ビジネス研究会」開催されました。
私も登壇させていただき、『Art Thinkingを新規ビジネスや製品開発に組み込む手法』を発表させていただきました。
他にも興味深い発表があり、「アート思考」「芸術思考」に全体ついて深く考える機会となりました。

その中で、ひとつわかったこと。
「アート」というと「金持ちの道楽」というイメージがあり「体制側」つまり「現状肯定」的な考えという印象を持たれる方も多いかもしれません。
最後のパートのディスカッション(面白かった!)でも、中世の宮廷の金持ち(パトロン)にスポンサーになってもらって、肖像を書いたり、子供に美術を教えるのが「アーティスト」の起こりだったのではないか、という意見もありました。

でも実際は「アート」はもっとアンダーグラウンドで反体制側、そして「未来志向」であるということ。

考えてみれば、中世の「宮廷画家」はスポンサーの依頼に基づいて描いたり子供の教育という課題に取り組むという点では、現代でいうデザインに近い。

「課題解決」という言葉からは、現在の体制やシステムを温存し続けるという意図が感じられる。
私自身政治思想的には「保守」に近いと思ってますが、それでも現代の(政治経済を含む)閉塞状況は如何ともしがたいとも感じています。

その打破のためには、アートの持つ「改革力(はっきり言ってしまえば、「物事=秩序をひっくり返す力」)」「未来を考える力」が必要であり、また昨今「アート思考」が注目を集めている背景なのではないか。そのように感じました。

このあたりのことは、先日小学校からデザイン思考やアート思考のワークショップの依頼を受けて、先生方とディスカッションしているときから感じていたことで。

例えば「小学生に課題解決法を教える」ということに関して、そもそも大人が創った「課題」を子供に「解決」を押し付けていいのか・・・とか。
「課題解決」より「未来」を夢見ることを考えてもらうことのほうが大事なのではないか・・・とか。

そんなもやもやしている中での議論(特に懇親会(笑))、自分的にとても腑に落ちたことがたくさんありました。
芸術思考学会のビジネス研究会では、2か月に一度このような研究会が開催されています。

次回は7月27日の予定です。